HOME > 臨床研修情報 > 研修科の紹介 > 脳神経外科の研修

脳神経外科・脳卒中科の研修

研修概要

■脳神経外科について
nouge2010-01.JPG 「島田市民病院の脳外科で診てもらって良かった」と患者さんに満足していただける医療を心がけています。急性期の脳血管障害の診断技術が一段と進歩しました。脳動脈閉塞の超急性期血栓溶解療法や脳動脈瘤コイル栓塞術などの脳血管内手術を行う症例が増えています。頭部外傷、脳腫瘍、脳卒中、脊椎・脊髄疾患などに対する外科的治療だけでなく、三叉神経痛や顔面攣縮に対する治療も行っています。

■脳卒中科について
 脳卒中科の役割は志太・榛原医療圏を中心にした住民の脳卒中という疾患の理解・予防・治療であり、Brain Attack と呼ばれる昨今は24時間体制で常に迅速な対応が望まれます。  脳卒中急性期治療とは内科治療、血管内手術、脳神経外科手術を含みますが、若年者脳梗塞・脳塞栓症などでは内科的診断・治療が重要となる疾患群もあり、内科的検索・治療は外科的治療にまさるとも劣らない非常に重要なものであります。 私どもの脳卒中科は静岡県内では聖隷浜松病院に続いての2番目の開設であります。発症4.5時間以内の急性期脳梗塞に対しては2005(平成17)年9月からはt-PAの投与が可能になりました。島田市民病院では、診療時間帯であれば救急車の来院に対しては内科系スタッフと研修医で構成された院内内科系救急チームが初期対応を行うシステムをとっております。脳卒中の救急来院に際しては如何に初期対応を行うか、頭部CTの所見を如何に診断するか、脳卒中と診断するか、等々の判断を行っております。平成24年6月まではt-PAの投与は発症3時間以内とされておりましたが、現在は発症4.5時間以内にまで適応が拡大しておりt-PAの有用性は世界的に高く評価されております。私ども島田市民病院では脳卒中の早期診断・治療を進めるため、脳卒中科スタッフだけでなく院内全体での協力体制を敷いております。


■研修内容
 脳卒中関連の神経内科・循環器科疾患、全身疾患の習熟、筋電図・神経伝導速度、各種誘発電位などの電気生理学的検査の習熟と解析。心臓エコー検査(経食道心エコーを含む)・ホルター心電図などの循環器科的検査の習熟と解析。CT・MRIなどの画像診断。脳血管内手術(Thrombolysis、PTA、STENT 設置など)の介助。脳神経外科手術(脳動脈瘤手術、頭蓋内血管吻合術、頸動脈内膜剥離術など)の介助。脳卒中以外の脳神経外科疾患(脳腫瘍、頭部外傷、脊椎・脊髄疾患、水頭症、三叉神経痛・半側顔面攣縮など)の診断・治療。手術の介助。


■資格取得: 
 2015(平成27)年4月現在、島田市民病院には常勤の日本脳神経外科学会専門医4名、日本脳卒中学会専門医3名、日本脳神経血管内治療学会専門医2名が在籍しております。島田市民病院は日本脳神経外科学会及び日本脳卒中学会認定の研修病院でもありますので、下記の専門医取得が可能です。

1)日本脳神経外科学会専門医:

  • 6年以上の脳神経外科訓練施設で定められた症例数を経験して専門医試験の受験資格が与えられる。

2)日本脳卒中学会専門医:

  • 脳神経外科学会専門医、神経学会神経内科専門医、放射線学会専門医、リハビリテーション医学会専門医、救急医学会専門医、内科学会専門医、外科学会専門医、老年医学会専門医のいずれかの専門医の資格を有していて、日本脳卒中学会に3年以上在籍することによって専門医試験の受験資格が得られる。

3)日本脳血管内治療学会専門医:

  • 脳神経外科学会専門医、神経学会神経内科専門医、放射線学会専門医のいずれかの資格があり、定められた症例数の経験を得て専門医試験の受験資格が与えられる。

定期カンファレンス

■脳外科/脳卒中科
1)新入院Presentation 5回/週
2)脳卒中症例検討会 1回/週
3)脳外科・脳卒中科カンファレンス 1回/月
4)抄読会 1回/週
5)リハビリテーションカンファレンス 1回/週

詳細等

■研修前アンケートについて
 脳卒中科の研修では可能な限り研修医の希望を取り入れたいと考えております。このため研修前に下記のようなアンケートを実施しております。
①各自の予定を教えてください
• 当直、他科のduty、心エコー、腹部エコー、救急当番について
②休日、夜間の研修 (決してdutyではありません)
• 積極的に希望する/ 当直あけなどは外して欲しい/ 休日、夜間は研修を希望しないetc
③手術研修の希望 (決してdutyではありません
• 脳卒中に関わる手術(くも膜下出血、脳血管内治療、脳室ドレナージ、頚動脈内膜剥離など)
• その他、脳神経外科手術(慢性硬膜下血腫、脳腫瘍、脊椎) 気管切開 脳血管撮影に対して、研修を希望するかどうか。
④手技の希望
• 静脈採血、動脈採血、静脈路確保、動脈ライン、気管切開の処置、腰椎穿刺、挿管、中心静脈穿刺頚部エコー、経頭蓋エコー、脳血管撮影など身につけたい手技があれば、書いて下さい
⑤将来の希望
• 全くきめていない/ 外科系にすすみたい/ 内科系にすすみたい/ 脳卒中科にすすみたい/ 脳神経外科にすすみたい など大体でよいので教えて下さい。

⑥脳卒中科・脳神経外科の行事について
• 月、水、木、金:午前8時及び16時30分からの1日2回の入院症例検討会
• 火:午前8時から抄読会
• 火、金:13時から脳血管撮影
• 水:12時30分~13時 救急センター多目的室で勉強会
• 月、木:午前8時30分から病棟回診  9時から手術
• 水:13時から、リハビリカンファレンス 
• 病棟の指示(検査、画像、点滴、内服など)、採血データの検討などは、全て午前中(特に10時まで)に行われます。この時間に、病棟担当医と一緒に病棟にいる習慣をつけると良いと思います。

 とにかく、急性期の症例を多く経験する事が重要です。脳卒中科の新入院は2006~2014年実績で年間約450名ですので、1日に1名以上は入院してくる換算になりますが、個々の症例によって学ぶべき点は様々です。また、あたりはずれが多く、貴重な症例をのがさないアンテナも必要です。  脳卒中科では、入院診療にチーム制を取り入れています。患者説明は主治医が行いますが、日々の治療方針、診療、指示は、全員で行っていくシステムです。研修の先生方にもこのチームに加わってもらい、とくに重要な症例、急性期症例には、担当医以外であっても、診療に関わっていく姿勢が必要です。そうでないと、2ヶ月間でたくさんの急性期症例を経験するのは不可能ですし、学ぶべき手技、病棟での指示も極めて限られた回数しかこなせないことになります。
 研修医の先生を立派に育てるのが臨床研修病院の義務で、よい研修をうけるのは研修医の権利であることは自明です。ただ、学ぶ姿勢と一般常識は要求します。
 併科での研修であり、忙しいのは承知していますが、積極的に研修に取り組んでほしいと思います。希望があれば、適宜伝えてください。最大限、考慮します。

(参考図書)
 神経所見: ベッドサイドの神経の診かた  南山堂 7,200円
 解剖: 臨床のための脳局所解剖学  中外医学社 20,000円
 脳卒中全般: 脳卒中臨床マニュアル  シュプリンガー・フェアラーク東京 13,000円
 脳卒中初期診療: ISLSコースガイドブック  へるす出版 3,000円 
 画像診断: よくわかる脳MRI   秀潤社 4,400円
 薬学:基本薬の選び方と使い方のコツ(日常診療でのスタンダードを使いこなす) 4,200円  文光堂

■脳卒中科研修科目
①診察
• JCS/GCS/NIHSS/脳神経の評価/筋力(MMT)/腱反射/知覚/失調/歩行状態の評価/葉症状/鑑別診断を挙げることができる/プレゼンテーションができる
②手技
• 点滴の準備/静脈血採血/末梢ルート確保/動脈血採血/動脈ライン/血液培養採取/ガーゼ交換/気管切開チューブの交換/バルーンカテーテル挿入/胃管挿入/気管内挿管/気管切開助手/腰椎穿刺/血管撮影の準備/血管撮影時のシース留置/中心静脈ルート確保
③検査
• 頭部単純:頚椎単純 頭部CT:正常解剖/脳出血(部位、サイズ、正中偏位)/脳梗塞(early CT sign)/くも膜下出血頭部MRI:正常解剖/撮像方法の区別/検査の適応/stroke MRIの評価
•  MRA/SAG:/正常解剖/主要血管の同定
•  頚動脈エコー:評価/実技
•  経頭蓋エコー:評価/実技
•  血液検査:異常値に対する評価/異常値への対応
④治療
• 入院指示:脳出血、脳梗塞、くも膜下出血
• 注射指示:ラジカット、カタクロット、ノバスタン、ヘパリン、アドナ、ペルジピン 抗生剤 等  内服指示:抗血小板剤、抗凝固剤、降圧剤 等
⑤その他
• 病状説明を聞く/病状説明ができる/退院サマリーの下書きができる