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病院事業管理者あいさつ

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病院事業管理者
  服部隆一

【略歴】
1977年京都大学医学部卒。京都大学医学部救急部助教授、近畿大学医学部奈良病院循環器内科教授、同院副院長などを経て、2008年4月に島田市民病院院長に就任。2011年4月に病院事業管理者に就任。専門科は循環器内科。

2017/04/01 2017(平成29)年度を迎えて


昨年度、関係者から要望や意見を募り、ようやく新病院基本設計がまとまりました。4年後の新病院開院を目指して、今年度は詳細な事項を定める実施設計に進みます。

団塊の世代が後期高齢者になる2025(平成37)年を見据えて、静岡県の地域医療構想が策定されました。当院が属する志太榛原二次医療圏における地域医療構想(全体の病床数はほとんど変化ないが、急性期、及び慢性期病床を減らし、回復期病床を増やす)を実現するため、関係者が集まって協議する調整会議が既に3回開催されました。 

地域医療構想では地域内で医療が完結することを目指しており、それに向けて在宅医療の充実が大きな課題となっています。在宅医療にとって、訪問看護は必須です。昨年4月から当院健診センターの一画を利用して、島田市が運営する訪問看護ステーションが運用を開始しました。24時間対応で訪問看護を行い、在宅での看取りにも関わっております。

昨年度末、18名の医師が転出し、新年度に13名の医師を迎えました。昨年4月に常勤の麻酔専門医が不在となりましたが、10月に2名の麻酔専門医が着任し、新年度にはさらに4名にまで増えました。しかし、小児科医の減少に伴い、心苦しいのですが、一部、小児科診療を制限せざるをえなくなりました。ご理解とご協力をお願い申し上げます。

当院で2年間の初期研修を修了した卒後3年目になる医師5名中、引き続き、当院で研鑽を積むことになるのは本年度1名にとどまりました。新規に27名の看護師、1名の薬剤師、2名の臨床検査技師、1名の放射線技師、1名の臨床工学技士、1名の理学療法士、1名の作業療法士、1名の管理栄養士が当院の診療スタッフに加わりました。8名の事務職員が市部局へ転出し、市部局から7名が転入し、1名を新規採用しました。本年度も引き続き、職員一同、理念の達成、新病院建設を目指して、努力してまいります。

2016/04/15 患者さんの高齢化について


  当院では2009(平成21)年度より、1年間に救急車で搬送された患者さんの年齢、性別、疾患、転帰等を集計し、ウエブサイト上で報告してきました。救急センター関係職員が毎日、データを入力し、年度が変わる4月初めにそれらをまとめ、公表しています。年間3,500~4,000件の救急車搬送があるにもかかわらず、迅速に集計できるのは、職員が日々努力した結果と言えます。本邦において、このように素早い対応をしている病院は他に例がないのではないかと思います。
 当院は島田市にある唯一の急性期病院・救急告示病院として管内における救急車搬送依頼の96%前後を受け入れています。従って、当院のデータは日本の地方都市における救急の実態を反映していると考えられます。当院は二次救急病院(入院や手術を要する症例に対する医療を行う)の位置づけですが、三次救急を担う救命救急センターの対象となる呼吸・循環管理を要する重篤な疾患や多発外傷なども受け入れています。
 救急車で搬送される患者さんの中で、75歳以上の方が占める割合の推移(⇒20160415_75ijou.PNG20160415_75ijou.PNGをみますと、2014(平成26)年度に50%を超え、昨年(2015、平成27)度は52.9%と1.7%増加しました。その疾患内訳(⇒20160415_utiwake.PNGをみますと、上位には肺炎、一過性意識消失、心不全、心肺停止、脳梗塞、大腿骨頚部骨折、脱水症などが並びます。疾患の推移(⇒20160415_utiwakesuii.PNGをみますと、肺炎が増えていることがわかります。75歳以上の救急車搬送では、三次救急の対象疾患は多くない傾向にあります。我が国では人口の高齢化が進みつつありますので、今後もこの傾向が続くことが予想され、救急ではこのことへの対応が求められると言えます。
 当院の入院患者さんのうち、救急部門経由は約3割です。横軸に入院患者さんの年齢区分、縦軸に入院患者さんの延べ数(人・日)をグラフ化(⇒20160415_jinkousuii.PNG20160415_jinkousuii.PNG)してみますと、1998(平成10)年から2015(平成27)年の17年間に、ピークが70歳から80~85歳に移行しており、高齢化が見て取れます。0歳、及び20~30歳台の減少は産婦人科縮小に伴う出産の減少によるものです。2015(平成27)年では、グラフの高さが低くなっていますが、これは平均在院日数の減少を反映しています。
 入院患者さんの高齢化に伴い、低ADL(日常生活の活動度)や複数の病気に罹患している方が増えており、以前に比べ、看護職員の負担が増しています。また、病室での転倒、ベッドからの転落が増えています。職員が患者さんを四六時中見守ることは困難で、認知症の方もおり、センサーを使用したり、L字柵などベッド柵の工夫をしたりしていますが、転倒・転落を完全に予防できないのが現実です。たとえ転倒や転落が起こってしまっても、重篤な打撲傷や骨折に至らないよう緩衝マットを使用するよう努めています。この点、ご理解いただきたく存じます。

2016/04/01 2016(平成28)年度を迎えて


 一昨年7月に島田市の新病院建設基本構想がまとまり、それを受けて、昨年10月に新病院建設基本計画が策定されました。これに基づき、次の段階である新病院の基本設計を担当する会社を公募型プロポーザル(本年3月13日公開ヒアリング実施)で選びました。本年度はいよいよ新病院建設において、要となる基本設計に着手します。院内の各部署から要望を集め、議論しながら基本設計を進めてまいります。
 団塊の世代が後期高齢者になる2025(平成37)年を見据えて、静岡県の地域医療構想が発表されました。その中で、当院が属する志太榛原二次医療圏において、2014(平成26)年7月の病床機能報告では、稼働病床数は3230、一方、2025(平成37)年の必要病床数は3246と推計されています。2025(平成37)年へ向けて、全体の病床数は殆ど変化がありませんが、急性期、及び慢性期病床を減らし、回復期病床を増やすことになっています。当院の新病院建設計画における病床設定はこの方針に合致しております。
 地域医療構想では地域で医療が完結することを目指しています。それに向けて、住まいを中心にして、医療、介護、生活支援が連携して地域で生活される方々を支援する地域包括ケアシステムを確立することが市町村に求められています。住まいにおける医療である在宅医療を推進するためには、24時間稼働の訪問看護ステーションが重要です。本年4月から島田市が運営する24時間稼働訪問看護ステーションが運用を開始しました。その場所として当院健診センターの一画を提供し、当院の訪問看護師2名を訪問看護ステーションへ出向させました。
 昨年度末には18名の医師が転出し、新年度に17名の医師を迎えました。麻酔専門医2名の転出に伴い、常勤の麻酔専門医が不在となり、当院は麻酔認定施設でなくなりました。この影響を受けて麻酔科で専門研修中であった若手医師3名も異動せざるをえませんでした。新年度からは、非常勤麻酔医が麻酔を担当します。これにつきましては、浜松医科大学麻酔・蘇生学講座の中島芳樹教授をはじめとする先生方から多大な御支援をいただけることになりました。
 当院で2年間の初期研修を修了した卒後3年目になる医師5名中、引き続き、当院で研鑽を積むことになるのは本年度1名にとどまりました。もう1名は専門医取得後に、戻って来る予定です。新規に34名の看護師、1名の薬剤師、1名の臨床検査技師、1名の理学療法士が当院の診療スタッフに加わりました。3名の事務職が転出し、4名が転入しました。事務職が1名増員となりましたが、これは病院建設推進課を強化するためです。本年度も引き続き、職員一同、理念の達成、新病院建設を目指して、努力してまいります。

2015/11/06 新病院建設基本計画がまとまりました

 市立島田市民病院の新病院建設基本計画がまとまりました。現在地に移転してから36年が経過しましたが、この間、病院には新耐震基準を満たしてない建物があること(災害時に災害拠点病院として十分な対応ができないことになりかねません)、上下水用管の腐食進行に伴う比較的規模の大きい漏水事故発生、狭隘化に伴う利便性低下など様々な課題が出てまいりました。これらに対応するため、新病院建設を決めました。
 新病院の建設場所に関して紆余曲折がありましたが、現地建替えとなりました。確かに地盤に問題がありますが、当院(硬い地層は地下30数米)よりもっと地盤の状況が悪い(地下70米)石巻赤十字病院は、地下23米までの摩擦杭と免震装置によるパイル・ドラフト工法(柔らかい地盤の浮力を利用)により、東日本大震災をほぼ無傷で克服しました。工法は進歩しており、地盤へは対応できると考えております。
 東日本大震災復興や東京オリンピックによる建設需要増により、建設費が高騰している状況の中、島田市の重点プロジェクトとして全面的支援をいただけることになりました。団塊の世代が後期高齢者となる2025年へ向けて、医療費増加の抑制を図る国は、病床数の削減、病床の機能転換を誘導しており、医療・介護を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。このような中、新病院建設の計画を進めていくことは容易ではありませんが、変化への対応を怠らないよう注意してまいります。
 基本計画には事業収支計画も含まれています。新病院を建設して、医療を継続していくためには、できるだけ手元資金を蓄積しておくことが必要です。昨年度の当院の経常利益は6,570万円でした。昨年度より会計制度が変更となり、将来支払うことになる全職員の退職金を損金として計上しましたので、会計上は赤字となっていますが、手元資金を増やすことが出来ました。
 新病院の計画作成には、院内の若手職員が多数参加しております。新病院に長く勤めることになる若手にこそ頑張ってもらいたいからです。受診しやすい、快適に入院できる、災害にも強い病院を目指して、職員一同これからも邁進してまいります。

2015/04/01 2015(平成27)年度を迎えて

昨年7月に島田市の新病院建設基本構想がまとまり、それを受けて、当院に新病院建設計画班が設置され、同班が中心となって新病院基本計画を策定しております。計画班には、将来、長く勤務する若手から中堅の職員が多く参加しており、活発な意見が交されています。現地建て替えとなりますので、現在使われている駐車場を利用して新病院を建設することになります。
国の財政が厳しくなる中、今後のさらなる高齢化社会を見据えて、昨年、医療介護総合確保推進法が成立しました。病床機能報告制度が開始され、11月に当院の病床機能(急性期が中心で、一部、回復期、及び慢性期機能)を報告しました。今後は、地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会での審議に基づき、二次医療圏毎に関係者の協議の場(地域医療構想調整会議)を設け、県が中心となって二次医療圏毎の地域医療構想を策定していくことになります。将来の医療需要、これに必要な病床の種類、数を推計し、将来のあるべき姿を実現するための取組みが始まります。同時に、市町村が地域包括ケアシステムを確立するよう求められています。島田市にある唯一の病院として、これらの課題に取り組んでまいります。尚、当院が属する志太榛原二次医療圏では、県が国の方式により算出した新基準病床数が現行の病床数とほぼ等しく、病床数に大幅な変更が必要ないのではないかと予測しております。
年度末には20名の医師が転出しましたが、新年度に20名の医師を迎えました。当院で2年間の初期研修を修了した卒後3年目になる医師8名中3名が引き続き、当院で研鑽を積むことになりました。また、3名が大学病院へ異動しましたが、将来、また当院へ戻ってくる予定です。新年度、32名の看護師、3名の技師が当院の診療スタッフに加わり、3名の事務職が転出、8名が転入、2名が新規入職しました。職員一同、気持ちを新たにして、理念を達成するため、努めてまいります。

2014/10/01 病院の消費税及び新病院建設基本計画について

本日の島田市議会で当院の2013(平成25)年度決算、及び2014(平成26)年度補正予算が承認されました。収益的収支は消費税を納める前までは43万5,474円の黒字でしたが、消費税1,443万3,100円を納めて4年ぶりに1,399万7,626円の赤字となりました。それでも、赤字が少なかったため、減価償却費から収益的収支赤字額、及び資本的収支赤字額を引いた金額分、手元資金が増加しました。
2013(平成25)年度、病院が支払った消費税と受け取った消費税は以下の通りでした。

百万円



内服薬、注射薬、医療機器の購入費、保守や業務委託費、光熱費、建設修理費など、病院の運営に必要な支出において、すべて消費税を含めて支払っています。一方、医療は非課税ですので、保険診療では消費税がかかりません。それ以外の自費診療、文書料、特別室料などに対して消費税をいただいております。その結果、払う消費税に比べ、受け取る消費税が圧倒的に少なくなっています。ここで控除対象消費税は以下のように算出されます。
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支払っている消費税が圧縮された形となり、下図の黒で示した部分を納税することになります。


 このように、病院が負担する消費税は少なくありません。消費税分は病院が受け取る診療報酬に上乗せされていると言われていますが、消費税率引き上げに伴い、病院にとってさらなる負担増になるのではないかと危惧しております。 
 補正予算では、新病院建設基本計画策定支援業務委託費が認められました。これから、支援業務を委託するコンサルタントを選定していきます。既に院内で、基本計画策定に関わる委員が決まり、計画立案に向けて動き出しました。
 2025年に団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になるため、それに向けて、本年、「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」が成立し、医療、及び医療を取り巻く状況は大きく変化していきます。国への病床機能報告が開始され、そのデータをもとに県が地域医療構想(ビジョン)を定めていくことになっています。患者さん7名に対して看護師1名を配置する7対1ベッドが国の想定以上に増えたため、それを削減することが目標に掲げられています。地域で医療・介護が完結するよう、今後、市町村が主体となって地域包括ケアシステムを構築することも謳われています。当院では7対1ベッドが多くを占めており、先の状況が不透明な中、基本計画を練るのは容易ではないと覚悟しています。職員が知恵を出し合い、協力しながら計画を作り上げていきます。

2014/04/01 2014(平成26)年度を迎えて

 新しい年度を迎えて、島田市の新病院建設基本構想策定が本格的に進みます。既に業務を委託する事業者が選定され、基本構想策定委員会(※リンク先ページ下段)が2月に開催されました。島田市は7月末までに基本構想を策定することを目指しています。2月下旬に、病院幹部は委託事業者からヒアリングを受けました。島田市議会に「市民病院の経営及び建設に関する特別委員会」が設けられ、2月中旬の意見交換会に出席しました。特別委員会における議論を踏まえて、3月27日島田市議会より基本構想策定に対する提言がありました。今後、外部有識者による会議、市民ワークショップ(※リンク先ページ中段)が開催されます。その後、構想案が作成され、パブリックコメントを経て調整され、最終案が提出される予定です。

 今回、2年に一度の診療報酬改定がありましたが、その内容は医師が充足していない当院にとって、厳しい内容でした。国は高齢化に伴い膨張する医療費を本格的に抑制し始めたと感じています。病床機能の届け出もこれから義務付けられていきます。先行き不透明な中、新病院建設を計画していくのは決して容易ではありませんが、病院職員の声が反映できるよう努めてまいります。

 常勤医の赴任により、昨年4月に眼科、6月に耳鼻咽喉科の診療を再開することが出来ました。また、昨年度末に退職した小児科医がこの3月に復帰し、小児科が3名体制になりました。

 年度末には17名の医師が転出しましたが、新年度に15名の医師を迎えました。当院で2年間の初期研修を修了した卒後3年目になる医師7名中4名が引き続き、当院で研鑽を積むことになりました。当院の基本方針である「優れた医療人を育成する」ために、1)指導医、コメディカル、事務職員など全職員が若手医師を支援している 2)若手医師が年間を通じて救急チームの一員として救急診療に従事し、幅広い診療能力が培われる 3)インターネットを利用した米国のホスピタリスト(病棟の総合診療医)石山貴章先生や藤田保健衛生大学総合救急内科山中克郎教授の指導が軌道に乗っている成果と言えます。

 昨年度、地域医療支援病院として、病診(病院と診療所)・病病(病院と病院)連携を一層推進するため、ふじのくにバ-チャル・メガ・ホスピタルへ診療情報開示病院として参加しましたが、地域の診療所の利用が伸び悩んでいます。診療所が必要とする画像読影結果を供覧することが可能であり、啓蒙活動を展開していきます。

 今年度、29名の看護師、2名の技師、2名の薬剤師が当院の診療スタッフに加わり、5名の事務職が転出、1名が退職し、4名が転入、3名が新規入職しました。職員一同、気持ちを新たにして、理念を達成するため、業務に取り組んでまいります。

2013/09/30 2012(平成24)年度決算および新病院建設について

 2013 (平成25)年9月30日、島田市議会で当院の2012 (平成24)年度決算が認定されました。2314万円の黒字でしたが、その額は2010 (平成22)年度の5億4834万円、2011 (平成23)年度の4億9849万円に比べると、大きく減少しました。昨年4月から内科系医師が減少し、これに伴い入院患者数が1日平均464.5 → 409.7名と11.8%も減少したことが主な理由です。この傾向は今年度も続いており、医師の充足が喫緊の課題です。このような状況下、2012 (平成24)年9月以来1年間常勤医が不在であった血液内科に10月1日常勤医1名が着任します。また、同日に外科と形成外科にもそれぞれ常勤医1名が加わり、浜松医大より1名の1年次医師 (いわゆる初期研修医)が1年間の予定で赴任して来ます。状況が少しでも改善することを期待したいと思います。
広報しまだ9月号(No. 183)で、島田市は2014 (平成26)年度末までに新病院建設の基本となる計画を策定することを表明しました。2013 (平成25)年8月6日付け社会制度改革国民会議報告書に、「団塊の世代のすべてが75 歳以上となる2025 (平成37)年に向けて速やかに取り組むべき課題」として、「病床機能の分化・連携や地域包括ケアシステムの構築」が明記されました。このために、「医療はかつての『病院完結型』から、患者の住み慣れた地域や自宅での生活のための医療、地域全体で治し、支える『地域完結型』の医療に変わる」ことが求められます。医療環境が大きく変化していく中で新病院建設の計画を策定することは容易ではありませんが、関係諸機関・団体と共同して計画策定に尽力する所存です。また、同報告書には、「高齢化等に伴い、特定の臓器や疾患を超えた多様な問題を抱える患者が増加する中、これらの患者にとっては、複数の従来の領域別専門医による診療よりも総合的な診療能力を有する医師(総合診療医)による診療の方が適切な場合が多い」と明記され、医療の在り方そのものも変化を求められています。当院では今後も総合診療マインドを持った若手医師の育成に努めてまいります。

2013/04/01 2013(平成25)年度を迎えて

 新しい年度の始まりに合わせて、当院のWebサイトのデザイン、構成を一新しました。外部の業者に一切頼ることなく、経営企画課職員、広報委員会委員など関係職員が手作りでサイトを作成しています。総ての職種で積極的な情報発信に努めており、これにより、職員の意識も変わりました。今後も頻繁に当院のWebサイトを御覧いただければ幸甚です。
 病院の意思決定機関である運営会議の委員を拡大してから、提案・協議事項が増え、議論、迅速な周知を通して、組織としての一体感が醸成されている手応えを感じています。事務部門では、経営企画課の一部と医事課を統合しましたが、医事情報を病院の運営に有効活用する取組みが進んでおります。
 新年度より、昨年12月で一時休止となった眼科の診療を常勤医2名により再開いたします。また、6月には耳鼻咽喉科に常勤医1名が赴任する予定です。昨年度は呼吸器内科の医師が3名にまで減少し、年度途中で血液内科常勤医が不在となり、これらに伴い入院患者数が減少しました。改革プラン達成に続いて、昨年5月に3年間(2012(平成24)~2014(平成26)年度)の経営計画を策定しましたが、残念ながらその初年度より計画倒れとなってしまいました。
 年度末には、腎臓内科、小児科、糖尿病内分泌内科でも1名ずつ医師が異動し、その他の科と合わせて計13名の医師が転出しました。しかし、新年度に19名の医師が着任しましたので、お互いの協力を期待しています。このような中、当院で卒後2年間の初期研修を修了した3名の若手医師が引き続き当院で研鑽を積むことになりました。既に4名が同様に当院に留まっており、これで7名の医師が初期研修後、当院での勤務を続けることになります。当院の基本方針である「優れた医療人を育成する」ために、指導医、コメディカル、事務職員など全職員が若手医師を支援した成果と言えます。当院では、若手医師が年間を通じて救急チームの一員として救急診療を担当しており、幅広く診療する能力が養成されておりますので、病院にとって大きな戦力となっています。
 昨年度から若手医師の教育にインターネットを利用して、米国のホスピタリスト(病棟の総合診療医)石山貴章先生や藤田保健衛生大学総合救急内科山中克郎教授の指導を受けることを始めました。石山先生には直接、当院へ指導に訪れていただきました。その結果、若手医師が情報収集のためUpToDateへよくアクセスするようになり、タブレット端末貸与を希望する若手医師が増えてきました。
 地域医療支援病院として、病診(病院と診療所)・病病(病院と病院)連携を一層推進するため、新年度よりふじのくにバ-チャル・メガ・ホスピタルへ診療情報開示病院として参加します。地域の診療所が最も必要とする画像読影結果を供覧することが可能ですので、大いに活用していただけると期待しております。
 今年度、29名の看護師、1名の技師、1名の薬剤師が当院の診療スタッフに加わり、4名の事務職転出し、4名が転入しました。引き続き、「優れた医療人の育成」に全員が取り組んでまいります。

2012/10/02 改革プランの最終評価について

 当院の2011(平成23)年度決算が議会で承認されました。収益的収支の経常収支比率【収益/費用x100(%)】は104.0%で、4億9千万円の黒字となり、一昨年度に続いて2年連続で黒字となりました。補助金を除いた実質経常収支比率は98.9%でした。2009(平成21)年3月に策定された当院の改革プランにて、目標に掲げた2011(平成23)年度のいずれの数値目標をも上回ることができました。院内でバランストスコアカ-ド(BSC)を作成し、職員一丸となって外来・入院医療収入増、及び経費・材料費削減に取り組んできた成果と言えます。また、「島田市地域医療を支援する会」から多大な御支援をいただき、職員が励まされました。
 地域医療連携室が窓口となり、全科が病診(病院と診療所間を意味します)連携を推進しました。その結果、病院への紹介は漸増しました。当院での分析では、紹介数と入院収益に正相関があります。地域医療連携室長が病診連携について話し合う島田市医師会第三委員会へ参加し、意思疎通を図っています。病院のネットワ-ク化に関しては、医療連携上重要となる地域の診療所が最も必要とする画像読影結果を供覧することが可能となりましたので、地域医療再生基金の補助をいただいてふじのくにバ-チャル・メガ・ホスピタル1)へ参加することにいたしました。当院の理念である「地域医療に貢献する」ため、引き続き地域医療支援病院として病診連携を進めていきます。
 本年5月、改革プラン後の3年間(2012(平成24)~2014(平成26)年度)の経営計画を策定しました。これは中期的視点に立った経営の基本指針と主要な取組を示しています。外的要因により一部の診療科で医師が減少している中、この計画を達成するのは容易ではありませんが、引き続き努力してまいります。

1) 静岡県立総合病院ホームページへのリンク

2012/04/02 2012(平成24)年度を迎えて

 東日本大震災、原発事故から1年が経過し、新しい年度を迎えました。今年度は、6年に一度の診療報酬と介護報酬の同時改定があり、医科では、1)急性期医療を適切に行うため、病院勤務医をはじめとする医療従事者の負担軽減、2)医療と介護の役割分担の明確化、両者の円滑な連携、在宅医療の充実、3)医療技術進歩の導入に重点配分されました。当院では、改定に対応すべく準備を進めてまいりました。昨年10月に当院は地域医療支援病院として認定されており、地域での医療連携をより一層進めていきます。
 院内に御意見箱を設け、皆様からのご意見を頂戴しております。寄せられたご意見の統計データでは、診療その他のことに関する苦情・意見は漸減傾向にありますが、職員の接遇に関する苦情・意見が減少しておらず、接遇の改善に病院全体が取り組む必要があります。一方で、ご意見箱に感謝の文書をいただいたり、「島田市地域医療を支援する会」より病院・診療所に感謝する作文・絵手紙集をいただいたりして、職員は元気づけられております。
 昨年4月、経営形態の地方公営企業法全部適用への移行を契機に、病院の意思決定機関である運営会議の委員を拡大しました。各部署から様々な提案が出るようになり、職員間の意思疎通が進みました。また、理念・基本方針の唱和を通して、組織の一体感も芽生えてきたと感じております。その結果、2010(平成22)年度に続き、2011(平成23)年度も収益的収支は黒字を見込んでいます。当院の改革プランが2011(平成23)年度で終了しましたので、新たに今後3年間の経営計画を策定しました。これに基づいて、院内各部署でバランストスコアカード(BSC)を作成し、病院職員が一堂に会して発表会を行う予定です。
 昨年度末に20名の医師が転出し、本年度15名の医師が新たに着任しました。医師数が減少した状態で新年度が始まります。特に呼吸器内科では医師数が4名となり、さらに年度途中で3名にまで減少する見込みです。そのため、大変心苦しいのですが、診療制限せざるをえない状況となっています。常勤医師が不在となった耳鼻咽喉科、神経内科はその状態が続きます。一時、2名まで減少した消化器内科の常勤医は6名まで回復しました。
 がんに対する治療では、手術、抗がん剤による化学療法、放射線治療が三本柱となります。当院では、化学療法を受ける患者さんが増加しており、これに対応するため、化学療法室を担当する医師を1名配置します。また、昨年度より常勤の放射線治療専門医が放射線治療を担当しており、放射線治療装置を改良し、寝台に寝たまま同じ位置で撮影できる、位置照合用CTを用いた画像誘導放射線治療や、呼吸監視装置を用いた息止め照射治療などを行っています。
 今年度、47名の看護師、5名の技師、2名の薬剤師が当院の診療スタッフに加わり、6名の事務職が転出し、2名が転入、3名を病院で新規採用しました。医事情報をさらに病院の運営に有効活用するために、経営企画課と医事課の一部を統合しました。引き続き、当院の基本方針の一つである「優れた医療人の育成」に全職員が取り組んでまいります。

2011/09/30 改革プラン進捗状況・地域医療支援病院承認について

 本日の島田市議会で当院の2010(平成22)年度決算が承認されました。収益的収支の経常収支比率【収益/費用x100(%)】は104.6%で、5億6千万円の黒字となり、当院にとりまして黒字は実に11年ぶりのことです。補助金を除いた実質経常収支比率は98.5%でした。2009(平成21)年3月に策定された当院の改革プランにて、目標に掲げた2010(平成22)年度のみならず、2011(平成23)年度の数値目標をも上回りました。2012(平成24)年度には、経常収支比率100%を越えることを最終目標としておりましたが、それをも2年早く達成しました。改革プランを絵に描いた餅に終わらせないよう、院内の各部署において、改革プランであげた取り組みを含んだバランストスコアカ-ド(BSC)を作成しました。BSCは各部署の公約のようなものです。BSCはトップダウンで始めましたが、慣れないことに抵抗感を感じた職員は少なくなかったと思います。それでも、全職員が様々な取り組みを着実に実行したことが成果として表れました。全職員の意思が少しずつですが、同じ方向を向きつつあり、組織としての力が向上していると実感しております。来年4月に、医療と介護の同時診療報酬改訂が控えており、今後の状況は予断を許しません。BSCはまだ十分に浸透したと言える段階には達していませんが、どのような状況になっても、当院の基本方針である「健全経営を行う」ため、今後も地道に取り組んでまいります。

 改革プランにあげた経営形態の見直しにつきましては、既に述べたとおり、本年4月より地方公営企業法の全部適用に移行しました。もう一つ重要事項として、二次保健医療圏内の病院再編・ネットワーク化が謳われています。「二次保健医療圏を構成する市町の首長をはじめ、医療行政担当部局が再編・ネットワーク化について積極的に検討・協議していく必要がある。しかし、二次保健医療圏の各市町における民意等を考慮すれば、直ちに経営主体の統合や病院再編へ向かうのは極めて困難である。」と記載されていました。当院は志太榛原医療圏に属しており、この中には、当院を含めて公立4病院がありました。2009(平成21)年、公立4病院の設立自治体の首長、及び4病院長が参加した会議にて、県の方から、志太榛原医療圏内の公立4病院の機能を2病院へ集約する案が提示されました。しかし、首長の同意が得られず、進みませんでした。その後、「市町の首長をはじめ、医療行政担当部局が"再編"について積極的に検討・協議していく」様子は見られません。民意は、多分、「おらが市、町の病院」ということで、再編は棚上げとなっています。最近の6年間で、4病院へ各自治体から繰り出された補助金を合計すると350億円余になります。当院へは島田市からの補助金が10~11億円前後/年ですが、1億数千万円が看護学校へ振り向けられますので、病院分は実質8~9億円/年となります。病院を集約すれば、経営がよくなり、病院への補助金を減らせます。その分、他のことに税金を使うことが出来るはずですが、このような議論も起こっておりません。

 ネットワ-ク化に関しては、当医療圏の2病院がふじのくにバ-チャル・メガ・ホスピタルへ参加しました。当院も参加を検討しましたが、そのためには当院の電子カルテデ-タを変換する必要があり、維持費を含めて多額の費用が発生すること、医療連携上重要となる地域の診療所が最も必要とするデータがまだ含まれていないこと等を理由に、当分の間は参加を見送ることにいたしました。
当院の理念である「地域医療に貢献する」ため、地域の医療機関との連携を進めてまいりました。この連携を一層推進するため、この度地域医療支援病院の申請を行い、承認されました。地域医療支援病院として、気持ちを新たにして、地域医療に貢献していきます。

2011/04/01 病院事業管理者就任あいさつ

 東北地方太平洋沖地震により亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災地の皆様に謹んでお見舞い申し上げます。
 当院は、医療チ-ム・職員派遣要請に応えて、被災地へ職員を派遣いたします。また、当院で対応できる患者さんを受け入れてまいります。

 本年度より、当院の経営形態が地方公営企業法の一部適用から全部適用(全適と略します)へ変更されました。これに伴い、本日付けにて島田市病院事業管理者を拝命いたしました。全適になりましても、診療内容はこれまでと同様です。「島田市民病院のあり方等を考える懇話会」にて、一部適用から全適への移行が提言され、それを受けて、病院改革プランに経営形態の見直しを盛り込みました。そして、最終的に全適への移行が選択され、島田市議会の承認を受けました。全適の詳細につきましては、病院改革プランに記載されておりますので、御参照ください。
 当院へ赴任してから、職員に経費を常に意識するよう促し、一方で収入増を図ってきました。入院数が増加し、多忙となりましたが、職員が一丸となって対応してくれました。その結果、2010(平成22)年度の収益的収支は11年ぶりに黒字化を達成できる見込です。組織を出来るだけ平らにして、職員間の意思疎通を一層図り、病院をより機動的に運用してまいります。その第一歩として、病院の意思決定機関である運営会議の委員を拡大します。職員の身分は地方公務員のままですが、徐々に意識改革が進み、自立心が芽生えてきております。全適になり、さらに良い病院を目指してまいりますので、応援をお願い申し上げます。
  昨年4月より、職員が集まる委員会などの冒頭で、理念・基本方針を唱和することを始め、8月には理念・基本方針を短くしました。職員への浸透はまだ十分とは言えませんが、私には唱和が、基本方針が実行できているか自らに問う、よい機会となっています。一昨年より、「院長と話爽快」を通じて、病院の現状を地域の住民の方々に知ってもらい、また、住民の方々の思いや要望を聞いてまいりました。「島田市地域医療を支援する会」も発足し、市民の一部に病院を側面から支援する動きが出てきております。「地域医療に貢献する」という当院の理念を達成するためにも、地域との相互理解を深めてまいります。
 昨年度末に15名の医師が転出し、本年度13名の医師が新たに着任しました。6月までにあと2名赴任して来る予定です。一昨年度より、耳鼻咽喉科で常勤医が不在となりましたが、今年度もその状態が続きます。また、消化器内科の常勤医が一時、2名まで減少しましたが、既に4名まで回復し、来月には5名になります。昨年、放射線科に放射線診断の専門医2名が赴任してまいりましたが、今回、さらに放射線治療専門医が加わりました。これに合わせて、放射線照射の精度をさらに高めるために、新たな設備を導入しますので、放射線治療の一層の充実が期待されます。
 37名の看護師、6名の技師、1名の薬剤師が当院の診療スタッフに加わり、8名の事務職員が転出し、5名が転入しました。本年度も当院の基本方針の一つである「優れた医療人の育成」に全職員が取り組んでまいります。

2010/09/29 改革プラン進捗状況と理念・基本方針改訂について

 2010(平成22)年9月29日、島田市議会にて、当院の2009(平成21)年度決算が認定されました。2009 (平成21 ) 年3月に当院の改革プランが策定されましたが、そこで掲げた2009(平成21)年度の目標値と実績値を比較しますと、多くの項目で目標値を上回ることが出来ました。その要因として、
1)入院患者増 → ベッド稼働率上昇、入院収益増
2)経費削減(患者増にもかかわらず、前年度より4300万円減;目標より2億3800万円減)
があげられます。「地域医療に貢献する」という当院理念のもと、全職員が協力して、入院患者増に対応したことが結果につながりました。前年度と比べ、収益的収支では、
経常収支比率 93.9%→99.2%
経常損失 6億8700万円→9800万円
となり、収支が予想以上に改善しました。その結果、給与比率は目標の56.2%まで低下しました。

 本年8月上旬、4日間にわたり、院内各部門で策定したバランスト・スコアカードの達成状況と新たな計画について、発表会を開催しました。同会における質疑応答を通して、他部門が何を目指しているか、職員相互の理解が深まったと思います。職員はバランスト・スコアカ-ドで掲げた目標に到達すべく努力を続けており、今年度は収支がさらに改善する見込みです。

 2008(平成20)年12月に当院の理念・基本方針を見直しました。職員全員が職員証の裏に理念・基本方針を印刷した小さなカ-ドを携行していますが、それを見ることはほとんどありません。理念・基本方針の浸透を図り、それを常に意識して行動するよう、本年4月より、職員が集まる委員会などの冒頭で、理念・基本方針を唱和することを始めました。唱和を繰り返すうちに、自然に頭の中に入るよう、本年8月、理念・基本方針を改訂し、短くしました。唱和を続けていくことにより、当院の存在意義と方針を職員が常に意識し、組織に一層のまとまりがでてくることを期待しています。

2010/04/09 2010(平成22)年度を迎えて

  一昨年の12月に病院の理念、基本方針を改定しました。理念は自治体病院として地域医療に貢献することです。昨年の春以降、周辺の医療情勢が変化し、当院へ患者さんが集中しましたが、職員が協力して、ほとんど総ての方を受け入れて来ました。着実に理念を実践しております。
 基本方針の1番目は、質の高い医療を実践することです。多くの疾患で、検査、処置、治療等の予定をあらかじめ定めたクリニカルパスを作成し、クリニカルパスに沿った診療に努めています。複数の職種からなる感染対策褥瘡栄養サポート緩和ケアチームが積極的に院内で活動しています。既に、当Webサイトに諸検査件数、疾患・手術件数等を公表してきました。さらに、近々、当院のいくつかの臨床指標も掲載して、より詳細な医療状況を公表する予定です。
 2つ目は、地域の医療機関、保健・福祉機関との連携です。診療所からの紹介は年々増加しており、昨年度12,481件で、最近6年間の平均伸び率は年9.8%、直近2年間では13.8%でした。今後も、地域の診療所との共有パスである地域連携パスを増やし、病診連携をより一層推進してまいります。
 昨年より「院長と話爽快(はなそうかい)」を8回開催し、地域住民の方々と直接お話ししてまいりました。参加者に病院の現状、課題を理解していただくとともに、いろいろな御要望、ときには苦情もいただきました。「島田市地域医療を支援する会」も発足し、側面から病院を応援していただいております。支援する会から、乳幼児の症状別受診の目安という小冊子が配布され、小児救急のより適正な受診が促進されると期待されます。地域の医療機関、保健・福祉機関のみならず、地域住民の方々との連携も広まりつつあります。
 3つ目は、患者さんの権利を尊重し、医の倫理を遵守することです。説明と同意の内容を細かく定め、これに沿った説明を心がけています。定めた医の倫理綱領職業倫理規程を遵守し、患者さんの権利、患者―医療者のパートナーシップを尊重するよう努めています。
 4つ目は優れた医療人の育成、5つ目は健全経営を行うことです。昨年度、院内各部署でバランストスコアカードを策定しました。各部署とのヒアリングにて、ある程度目標が達成されつつあることが判りました。職員の間にコスト意識が浸透しだしており、周辺の医療情勢の変化という外的要因もありましたが、入院数が増加し、医業収入が増えました。一方、医業経費の増加率は医業収入のそれより低く抑えられており、経営が改善方向にあります。

 3月の運営会議にて、来年度から地方公営企業法の一部適用から全部適用へ移行することを病院として決定しました。全部適用では、相応の権限と責任のもと、経営の自主性、迅速性が確保されるからです。このことにつきましては、2006(平成18)年10月の島田市民病院のあり方等に関する報告書で既に勧告されておりました。これを受けて、病院改革プランには、2009(平成21)年度末までに経営形態の移行に関して、結論を出すことが明記されていました。全部適用へ移行して、さらに経営を改善し、将来の新病院建設へ向けて、少しでも多くの資金を確保してまいります。

 昨年度より、耳鼻咽喉科で常勤医が不在となりましたが、今年度もその状態が続きます。また、昨年度途中で消化器内科の常勤医が減り、消化管内視鏡検査などに静岡市立病院から支援の医師を派遣していただいてきましたが、さらに県立総合病院からも派遣していただくことになりました。放射線科に放射線診断が専門の医師2名が赴任してまいりました。迅速な放射線診断、放射線インターベンション治療が可能となります。整形外科では、2名の常勤医が新たに赴任し、1名が院内の麻酔科へ移りました。総合診療科、循環器内科、外科、泌尿器科、形成外科において、それぞれ1名ずつ、呼吸器内科にて2名、常勤医が交代し、脳神経外科で、常勤医1名が退職しました。引き続き、今年度も全科の診療体制を整えることができず心苦しく思っております。

 当院で採用した7名と京都大学と浜松医科大学から1名ずつ派遣されてくる2名を合わせて、合計9名の医師が新たに研修を開始しました。また、28名の看護師、4名の技師が当院の診療スタッフに加わり、合計13名の事務職が異動、退職、採用となりました。この時期、若い人たちを迎えて、院内は活気づきます。今後も、当院の基本方針である「優れた医療人の育成」に全職員が取り組んでまいります。

2009/04/01 2009(平成21)年度を迎えて

 この1年間、糖尿病・代謝内科の常勤医が不在となり、皆様に御迷惑、御不便をおかけしてきましたが、4月6日より新たに糖尿病・内分泌内科として、常勤医3名により診療を再開いたします。また、漢方内科が新設され、慢性疾患を主な対象として、外来診療が始まります。小児科、外科、泌尿器科、脳神経外科において、それぞれ1名ずつ常勤医が交代します。病理診断科では、組織や細胞の形態を調べる業務を担当しておりますが、ここに待望の常勤医が赴任して来ました。これにより、迅速な病理診断が可能となりました。

 一方、医師が減少する科もあります。耳鼻咽喉科では常勤医の転出に伴い、非常勤医のみによる外来診療となります。歯科口腔外科では、部長を務めていた医師が退職し、残りの常勤医が1名になったため、歯科麻酔を担当している歯科医が歯科口腔外科診療の一部も担当することにいたしました。呼吸器内科、循環器内科で、1名ずつ常勤医が退職しました。また、呼吸器内科、血液・リウマチ科、産婦人科、総合診療科に所属していた卒業後3~4年目の後期研修医が新たな飛躍の場を求めて、異動します。全科の診療体制をなかなか整えることができず心苦しく思っております。

 当院で採用した5名と京都大学から派遣されてくる2名を合わせて、合計7名の医師が研修を開始しました。年度途中には、浜松医科大学からも研修医1名が派遣されてきます。また、26名の看護師、5名の技師が当院の診療スタッフに加わり、8名の事務職が異動・交代となりました。この時期、若い人たちを迎えて、院内は活気づきます。当院の基本方針である「優れた医療人の育成」に全職員が取り組んでまいります。

 自治体病院として、昨年末に当院の理念、基本方針の見直しを行いました。同時に全職員によりバランストスコアカードを作成しました。これらに基づいて、島田市が当院の改革プランを策定いたしました。実施状況の検証やプランの見直しを行うため、評価委員会も設置されることになっています。医師、看護師を確保するのが困難となっている環境下で、掲げた数値目標を達成していくのは決して容易ではありませんが、職員一同努力してまいります。

2008/12/22 新しい理念と基本方針

 時間外救急を担当する医師が、疲弊せずに重症疾患の治療に専念できるような環境を整えるため、近隣の公立3病院と連携をとり、平成20年5月7日より、必ずしも緊急性が高いとはいえない方に、時間外加算部分の医療費を自費でご負担いただいてきました。この結果、救急車での搬送件数は変わっていませんが、軽症の方の受診が減少しています。大きな混乱なく、制度導入の効果が表れており、皆様のご理解とご協力に感謝申し上げます。
 病院医療を取り巻く環境は、医療費抑制、勤務医不足など、依然、厳しい状態ですが、そのような状況に対し、病院の方向性を示す理念、基本方針の見直しを行いました。
 「自治体病院として、地域医療に貢献する」という理念のもと、急性期から慢性期まで医療の「質」を高めることを基本方針の1番目に掲げました。医療の質とは「米国医療の質委員会(医学研究所)」が示す次のことを包括しています。
 1 傷害がない、安全な医療を行うこと
 2 現在の医学知識を反映した有効な医療を適時、効率よく行うこと
 3 患者個々人の価値観と期待に適合する医療を行うこと
 基本方針の2番目は「地域の医療機関や保健・福祉機関と連携する」、3番目は「患者の権利を尊重し、医の倫理を遵守する」であり、これらは以前から当院が目指していたものです。4番目に、新たに「優れた医療人を育成する」ことを入れました。医療人は、病院で働くすべての職種の人を表しています。これまで、すべての職種にわたり、人材教育を行ってきましたが、それに一層力を注ぐという意志を示したものです。最後に、医療を維持するために、健全経営を行うことを挙げました。経営不振が続けば、自治体病院とて存続不可能となることは最近の事例からも明らかです。
 健全経営の実現に向けて、公立病院は総務省から改革プランを策定するよう求められています。経営を改善していくためには、職員の強い意思統一が必要です。そのため、当院では運営会議での討論を経て病院のバランスト・スコアカードを作成し、これに沿って、院内各部署におけるバランスト・スコアカードを作りました。バランスト・スコアカードとは、「財務(収支)」のほかに、「患者」、「業務手順」、「職員の学習と成長」という4つの視点から、目標を達成する戦略を描くものです。元々は企業に導入されていたものですが、最近は医療界にも応用されています。でき上がったバランスト・スコアカードには、多くの行動計画が盛り込まれており、職員全員の意志が反映されています。現在、これらを基に、改革プランをまとめています。今後は、行動計画を実行することになりますが、絵に描いた餅にならぬよう、定期的に検証していく所存です。

2008/04/17 就任あいさつ

 平成20年4月1日付けで、西村善彦現名誉院長の後任として、院長に就任致しました。伝統ある地域の基幹病院の舵取りを託され、身の引き締まる思いがしております。
 当院は島田市、および周辺地域の総合病院として、365日、24時間、ほとんど総ての受診者を受け入れてきました。しかし、最近の医師不足の煽りを受けて、科によりましては医師が充足しておらず、皆様の要望すべてにお答えすることが困難になっています。また、時間外救急を担当する医師が、疲弊せずに重症疾患の治療に専念できるような環境を整えるため、近隣の公立3病院とも連携をとる中で、平成20年5月7日より、必ずしも緊急性が高いとはいえない方に、時間外加算部分の医療費を自費でご負担していただくことになります。さらに、地域で開業されている先生方との連携をより緊密にしていきたく存じます。皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 2005年のOECD(経済協力開発機構)加盟諸国の平均値と単純比較しますと、日本では2/3の医師数(人口1000人当たり2対3人)で、多くの急性期疾患ベッド(人口1000人当たり8.2対3.9床)を担当しています。しかし、医療費の総額は低く抑えられています(国民総生産(GDP)に対して8.0対9.0%)。このような状態で、日本人の平均寿命は82.1歳で、OECD加盟国中1位(平均は78.6歳)を達成しています。諸外国と比較すると、医療現場の負担は大きいと言っても過言ではありません。限られた費用、人員で、良質の医療を維持していかねばなりませんので、ますますの創意工夫、努力が必要と覚悟しております。
 当院は研修医の教育に力を入れて来ました。その甲斐あって、新研修制度が施行されてからも、毎年6名の研修医を採用してまいりました。若い医師が多くいることは、病院が活気づき、良い刺激にもなります。次世代を担う医師を養成することは我々に課せられた義務と認識しております。皆様にもご協力をお願い申し上げます。

最終更新日 2017-04-01