歯科口腔外科

光機能化技術によるインプラント治療のご案内

インプラント治療に使われるチタンの劣化(チタンエイジング現象)

 現在、インプラント治療に使われる材料のほとんどがチタンまたはチタン合金です。このチタン製のインプラントと骨が強固に接着することがインプラント治療の成功の条件です。チタンは、化学的に安定で、さびたり劣化したりしない、そして最も重要なこととして骨と結合する能力はいくら時間がたっても変わらないという前提のもとに使われてきました。

 しかし、最近の研究でチタンの表面性能は時間とともに劣化するということが分かりました。チタン表面は加工してからすぐ(新鮮)の状態では非常に高い骨結合能力(骨となじむ力や骨と接着する能力)を有しているものの、使用せず保管した場合は、チタンの表面に付着していく炭化水素の影響により骨結合能力が時間経過に伴って減少することが明らかにされました。これはチタンエイジング現象(チタンの生物学的老化)と呼ばれています。

チタンエイジングの問題点
チタンエイジング現象により次のような問題が生じます。

1.インプラントが最良の状態で使用できない

  • インプラントの劣化は工場出荷直後から始まり、例え未開封・未使用の状態であっても骨結合能力は低下していきます。インプラントが病院に納品され、患者さんに埋め込むころには、チタンエイジングが進行した状態である可能性があります。

2.使用するインプラントのエイジングがどの程度進行しているのか分からない

  • インプラントには製造年月日の記載がないので、納品されたインプラントがどの程度、骨結合能力が低下しているのか医師には知る方法がありません。

3.使用するインプラントに能力差がある可能性がある

  • 使用するインプラントの製造時期が異なっている場合は、骨結合能力に差がある可能性があります。ある患者さんに複数のインプラントを埋め込む場合、例え同じメーカー、ブランドのインプラントであっても、それぞれの能力が同じである保証はありません。

光機能化技術とは

このチタンエイジング問題を解決するために開発されたのが光機能化技術です。

光機能化技術とは、特定の波長を持つ複数の光線を、特定の強度で、一定時間、患者さんに埋め込む前のインプラントに照射し、インプラント表面を処理する技術です。
当院では、セラビーム アフィニーという機器を2013年7月に導入しました。光機能化技術を導入したのは、公立病院では当院が初めてです。


implant-hikari1.bmp処理前 血液をはじくインプラント

implant-hikari2.bmp処理後 血液が全体に行き渡っている状態

implant-hikari3.bmp処理前 インプラント表面に付着した接着骨芽細胞の様子

implant-hikari4.bmp処理後 大幅に増加した接着骨芽細胞の様子

implant-hikari5.bmp処理前 インプラント表面に接着した骨(青い部分)

implant-hikari6.bmp処理後 骨接着部分(青い部分)が大幅に増加している。

光機能化技術の効果
光機能化技術によりインプラントと骨が早く、強く接着することが可能となり、次のような効果が期待できます。

  • 治癒期間(インプラントと骨が接着する期間)が短縮化する。
  • 接着する能力が上がることで、より短いインプラントでの応用が可能となり、複雑な処置が必要な症例での治療成功率が上昇する。
  • インプラント周囲の炎症を減らすことができる。

光機能化技術の導入により、当院でのインプラント治療は、より安全に行うことができるようになりました。
インプラント治療や光機能化技術について詳しくお知りになりたい方は、歯科口腔外科にお問い合わせください。


文責 歯科口腔外科
最終更新日 2016-01-13